後頭部から進行するケースはAGAの可能性が極めて低いと言われています。
ご自分がどのケースに当て嵌まっているのか、とにかく原因を究明したいという方は参考としてご覧ください。
まず前提として
男性はテストステロンという、雄々しさを強調するホルモンを分泌するのですが、ストレスや環境の変化が要因となり、ジヒドロテストステロンというマイナスのホルモンに転化します。
体内には5αリダクターゼという酵素があります。(これは年齢、性差なく存在)
この酵素とジヒドロテストステロンは相性が悪く、結合する事によって、育毛サイクルを崩し、薄毛の原因を招きます。
5αリダクターゼは前頭部や頭頂部に存在する物で、後頭部には存在しません。
ゆえに後頭部がハゲることはAGAの定義に当てはまらないということなのです。
ちなみに後頭部ハゲとは、カッパの様にハゲる症例と混同してしまいがちですが(最近まで私も)
あれは頭頂部ハゲの属性に当てはまります。
厳密には後頭部を触ると、骨の出っ張りがあり、その場所から下側がハゲていきます。
原因
1、血行不良
2、栄養不足
3、ホルモンバランスの乱れ
4、AGA以外の疾患による脱毛
1、血行不良
髪に必要な栄養がストレスなどの要因によって、血管が縮小し、栄養が行き渡らなくなる
2、栄養不足
過度なダイエットによる栄養不足が原因にとなって薄毛になるもの
バランスの偏った食事によって薄毛になるもの。
後者によくありがちなのが、髪に有益であるという食材を食べる事に注力しすぎるあまり、栄養バランスの偏りが出てしまうこともあるというわけです。
3、ホルモンバランスの乱れ
これは女性にも当てはまるのですが、40代以降は急激にホルモンバランスの乱れが生じ、栄養を摂取しても薄毛になる事があります。
また出産後、急激に髪質が細くなり、クシでとかしているとブツブツ神が切れ、次第に抜け毛が進行してしまう、産後薄毛が起こる事があります。
4、AGA以外の疾患による脱毛
A、円形脱毛症
これは10円玉ほどの大きさの抜け毛が生じる症状で、『10円ハゲ』という総称が有名です。
脱毛班が1箇所の単発型。
脱毛班が所々にできる複数型。
側頭部、後頭部に帯状に脱毛する蛇行型。
原因は自己免疫疾患による説が有力であり、そのうちの約40%がアトピーが起因していると言われています。
B、粃糠性(ひこうせい)脱毛症
髪にフケが溜まることで起こる脱毛症であり、頭皮に皮脂がつまり、毛根を塞ぐ事で薄毛が起こるものです。
C、瘢痕性(はんこんせい)脱毛症
事故による外傷や火傷。
自己免疫疾患で起こる膠原病などにより、頭皮が瘢痕化することで毛母細胞が破壊され、抜け毛を助長するものです。
D、牽引性脱毛症
女性に多く見られるもので、ひっつめにしたり、ポニーテールをする髪型をする事で抜け毛をもたらすものです。しかしこれだけではありません、同じ分け目をする事で髪の毛が牽引され薄毛を引き起こすものも含まれます。
後頭部に起こる薄毛の対策方法
1、食生活
2、睡眠
3、ストレスケア
4、頭皮マッサージ
5、専門の医療機関
1、食生活
髪の栄養の主成分であるタンパク質の摂取がとても大切です。
また、タンパク質を吸収して、身体の隅々に循環させるには、代謝を促し、皮膚環境を保つビタミン類も一緒に吸収する事も大切です。
タンパク質を行き渡らせるには、内臓や血液に吸収させる事で、強い頭皮と毛髪を生成する事ができます。
そのためには栄養の合成という流れが必要です。合成を助けるには亜鉛の摂取がおすすめです。
しかし、毛髪にいくら良いからと言って、一つの栄養素を過度に摂取する事に囚われることで、逆に身体に悪影響を与え、健康を害する要因になります。基本的にはバランスの良く、肉、魚、野菜と適度に炭水化物を一緒に摂取する事を忘れずにしておけば大丈夫です。
2、睡眠
睡眠は免疫機能の回復をもたらし、傷ついた細胞を修復させるので、より強い毛髪を生成する大事な不可欠な事です。
睡眠中に分泌される成長ホルモンは、タンパク質合成や細胞増殖、代謝促進を助けてくれる効果があります。
しかし、睡眠前にコーヒーやタバコという神経を覚醒し、血流を阻害する原因のものを摂ってしまう事で良質な睡眠を阻害してしまう因子を作ってしまいます。
なのでこのような嗜好品は日中の活動時間帯に取るようにするべきです。
ただし、タバコに関しては百害あって一理なし。健康を損なう事で、薬に頼る将来が待っており、薬は病気を抑制する役目がある反面、肝臓に蓄積し、発毛のために摂った栄養も代謝されなくなる、いわば育毛の活動が健康な体と比べ効果が出づらいものとなりますので、極力やめるようにしましょう。
就寝前のスマホもブルーライトを浴び神経を覚醒させてしまうので睡眠2時間前にはベッドから離れたところに置いておく工夫が必要です。
3、ストレスケア
現代社会で生きていれば付き物であるストレスですが、自律神経を乱し、血流の阻害をおこし、栄養が頭皮に行きづらくなってしまう元凶です。
現代では様々な情報が氾濫し、目に触れる事で、脳が目まぐるしく動き、休息する機会を失っています。
時には情報から距離を置き、家族や恋人や知人とドライブやピクニックに行き、自然に触れ、大きく深呼吸をする行為も大切。
深呼吸を意識して取り入れる事で体内の血流が促進され、軽負荷のスクワットを10回やることで更に代謝が良くなり、毛髪の生成にとって土台となる丈夫な身体が作られます。
4、頭皮マッサージ
入浴後の頭皮マッサージも効果があります。
ただし、洗髪後の頭皮は汚れが落ちている清潔な状態であるかわりに、髪が乾いていない状態でマッサージを強く行ってしまうと頭皮を傷つけ、毛根に負担をかけてしまいます。
しっかりドライヤーで頭皮を乾かし、水分を飛ばした後で、指の腹で柔らかくマッサージしてあげる事をお勧めします。
5、医療機関を受診
今回の症例に限らず、薄毛の理由を個人で特定する事は難しいものです。
薄毛の深刻度は個人個人に違いがあります。
完璧な効果を求めるならば、専門医の知見に頼る事が最善です。
セルフケアでは十分な効果が期待できず、いたずらに症状を延引させ、薄毛の症状が深刻化し深い後悔に陥る前に医療の知見を参考にする事をお勧めします。